開催趣旨

NWT
    数値風洞(NWT)

CP-PACS
計算物理学計算機(CP−PACS)

ES
   地球シミュレータ(ES)

 わが国のスーパーコンピュータは70年代アメリカに僅差で遅れて萌芽し,航空・宇宙、気象・地球科学、エネルギー・計算物理などの分野において、科学技術から産業の幅広い研究開発分野で不可欠の道具として定着してきました。その後のアプリケーションの多様化・高度化に伴い、今日では金融や経済さらにはエンターテイメントの分野でも実用されるに至っています.当時、スーパーコンピュータ向けに開発された高速処理技術・並列処理技術は、今日のパソコンやサーバのハードウェア技術、ソフトウェア技術にも取り入れられ、IT市場を活性化し、多くの人々がその高機能・高性能の恩恵を受けています.

 一方、最初の商用スーパーコンピュータであるCRAY1が出現してから30数年が経過し、この間に1億倍の処理速度向上を実現したことも事実であるが、しかし今日、地球環境に優しいエコ技術への配慮、科学技術予算の縮減、新興国との競争、新しいアイデアによる計算機開発など今までにない課題も抱えており、スーパーコンピュータは、新たな変革の時を迎えていると言えましょう。

 今年は、わが国スーパーコンピュータの萌芽期からのパイオニアであり、リーダーであり、わが国スーパーコンピュータを世界ナンバーワンの実力にまで高める指導力を発揮した科学技術庁の三好甫先生が没して10年という節目の年になります。関係者一同は、今改めてこのような時を記念して相集い、記念シンポジウムにおいてわが国スーパーコンピュータの来し方をたずね、未来に思いをめぐらせ、もって今後の発展の一助にできれば、誠に時宜にかなったことと考えるに至りました。

 ここに関係者一同は温故知新の言葉のごとく〜わが国スーパーコンピュータの来し方・未来を語る〜一日として「三好甫先生記念計算科学シンポジウム」の開催を案内いたしますとともに多数のご参加をお願いいたします.特に、次代を担う若人が多数参加され意見交換ができますよう関係者一同期待いたします.