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一般報告

ラムジェット用保炎器周り燃焼流の数値解析

航空宇宙技術研究所
山本 武


1.スペースプレーン用水素燃料ラムジェット(文献1参照)

 航空宇宙技術研究所では1980年代よりスペースプレーンの研究が行われてきた。そのエンジンとして、機体速度がマッハ3から6の間で水素燃料ラムジェットを用いることが考えられ、その保炎器として燃料噴射口を持つブラフボディ型保炎器が研究された。しかし、
その流れ場は高速・高温であるために計測手段は限られ、詳細な流れ場を把握することは困難であった。そこで、数値流体力学を用いた解析を行い、速度分布・反応領域等を明らかにした。また、燃料噴出口大きさ、配置を変更したモデルについても計算を行い、その結果より設計指針を得た。NWTが導入される以前は、計算格子点数は10万点が限界であったが、NWTを用いることにより26万点をとることができ、計算精度を高めることができた。

2.超音速輸送機用メタン燃料ラムジェット(文献2参照)

 通商産業省(現、経済産業省)のプロジェクトとして、1989〜1998年の10年間、超音速輸送機用推進システムの研究開発が実施された。航空宇宙技術研究所においても、その一環としてメタン燃料ラムジェットエンジンの研究が行われた。このエンジンに用いる保炎器として、Vガッタ形状の保炎器が提案され、実スケールモデルによる性能試験、光学試験モデルを用いたPIV(粒子画像流速測定法)による速度場計測が行われた。PIV計測と相互に検証を行うと共に、より正確に燃焼場を把握し保炎器設計に役立てるため、数値解析を行った。数値解析コードは、前述の水素燃料ラムジェット保炎器周り燃焼流の解析コードに、メタンの燃焼を組み込むことにより開発した。PIVにより計測された時間平均の流れ場と数値解析の結果は良い一致を示したが、数値解析コードはk-ε乱流モデルを用いているため、非定常性については明らかにならなかった。

参考文献

  1. T.Yamamoto, Y.Kurosawa, T.Tamaru; Numerical Simulation of Hydrogen Flame Injected from Bluff-Body Type Flameholder, JSME International Journal, Series B, Vol.41, No.4, 1998, pp.1085-1090
  2. T.Yamamoto, Y.Kurosawa, K.Suzuki, M.Gomi; Numerical Study on Combustion Flow around V-gutter Type Flameholder of Methane-Fueled Ramjet Combustor, Proceedings of the International Gas Turbine Congress 1999 Kobe, Nov. 14-19, 1999, pp.725-732
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