燃焼器の形状および燃焼ガス中の音速から概算した音響振動モードは4分の1波長で約700Hz-900Hz前後であり、それ以上は高次の振動が生じる。両ケースともその付近に振動が見られるが、予熱なしの場合はさらに低い周波数でのピークも見られる。これは火炎と流れ場の干渉が引き起こしていると考えられる。 
 この結果から燃焼器の火炎の挙動には、音響特性、作動条件、流れと火炎の干渉等のさまざまな要因が関係していることがわかる。LESのように非定常な計算を行うことでそれらの理解を深めることができると思われる。ただし、このようなLESでは計算結果はモデルに影響を受けるためモデル化等については更なる検討が必要である。 
 
 
4.まとめ 
 
 燃焼器内の火炎挙動のLESをNWT上で計算した。燃焼器を領域分割して並列化し効率的に解くことができた。火炎は、燃焼器内の音響特性、作動条件、流れ場などに深く影響を受けるため複雑な挙動を示すことがわかった。モデル化等については更なる検討が必要である。 
  
参考文献
 
- Peters, N., Turbulent Combustion, Cambridge University Press, 2000 
 - Shinjo, J., Mizobuchi, Y., Tachibana, S. and Ogawa, S., Ninth International 
Conference on Numerical Combustion, 2002 
  
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