- 日時 : 1999年10月20日(水) 13:00〜17:00
- 場所 : 地球フロンティア会議室(浜松町)
- 出席者:
- 林 康晴 (日本電気)
- 岩下 英俊 (富士通)
- 河合 伸一 (宇宙開発事業団)
- 升本 順夫 (東京大学)
- 中村 壽 (高度情報科学技術研究機構)
- 中村 孝 (航空宇宙技術研究所)
- 中尾 雅弘 (三菱重工業)
- 布広 永示 (日立製作所)
- 太田 寛 (日立製作所)記
- 岡部 寿男 (京都大学)
- 阿南 純久 (横浜国立大学)(奥田 洋司 代)
- 坂上 仁志 (姫路工業大学)
- 左近 彰一 (日本電気)
- 妹尾 義樹 (日本電気)
- 末安 直樹 (富士通)
- 高橋 正樹 (日本原子力研究所)
- 谷 啓二 (日本原子力研究所)
- 山崎 昇 (富士総合研究所)
- 渡辺 国彦 (核融合研究所)
- 秦 万美子 (高度情報科学技術研究機構)<事務局>
- 高橋 由香 (高度情報科学技術研究機構)<事務局>
以上21名
- 配布資料
- 第20回HPF合同検討会議事次第 (事務局)
- 第19回HPF合同検討会議事録(案)
- HUG2000について(案)
- NECのHPF動作環境について
- 「HPF動作環境の標準化について」に対する富士通の回答
- HPF動作環境の標準化について 回答編 (日立)
- 前回議事録確認
特になし。
- 検討議事
- ユーザアプリケーション募集結果
ユーザ会員が手持ちのアプリをHPF化して各社のマシンで評価するという活動への参加者を募集していたが,これまでに以下の5名の応募者があった。括弧内は希望プラットフォーム。
- 千葉大 松元氏 (VPP, SR)
- 核融合研 渡辺氏 (SXまたはVPP)
- 航技研 中村氏 (VPP)
- 東大 升本氏 (Origin)
- 三菱重工 中尾氏 (Cenju)
また,坂上氏もSRでの評価を行う予定。各プラットフォームの利用手続き等は以下。
- Cenju NEC並列処理センタのものを利用。RISTで手続きする。
- VPP 京大計算機センタに利用申請。課金はRISTに振替。
- SR 原研のものを利用。RISTで手続きする。
- HUG'99参加報告 (妹尾氏)
8/1〜2の2日間,ロサンゼルスのRedondo Beachにて開催された。参加者は日本から約10名,欧州から約10名,米国から10数名。発表は17件。うち日本から4件。欧州と日本は頑張っているが,米国は完全に下火。しかし,K. Kennedyら主要メンバにはまだやる気が残っているようである。コンパイラベンダは,全盛期には7, 8社を数えたが,現在真面目に取り組んでいるのは日本3社とPGIぐらいか。一方アプリケーションを評価しているグループは結構多い。
上記概要に引き続き,各発表について,HUGのWebページを使って簡単に紹介。
- HUG2000計画
- 日時は9月18日の週を第一候補とする。(その後9月21,22日に決定)
- 場所は東大山上会館を第一候補とする。(その後大手町KKRホテルに決定)
- 共催候補となる他学会は今の所無い。航技研中村氏がCFD関連の国際会議の日程を確認する。(その後7月と分かり,やはり共催せず)
- RIST主催。ベンダ3社を協賛にするかは今後議論。
- 予算は300〜400万円程度。RISTから150万円は何とかなりそう。参加費は一人5000円程度(?)の見込み。
- General ChairはP. Mehrotra氏と妹尾氏。Local ChairにRIST中村氏。Program Committeeに日本からは妹尾氏の他,坂上氏,岩下氏,太田が加わる。
- Keynote address候補はKennedy教授,矢川教授。Invited talkを欧米から4,5名に依頼予定。
- 本会議が日本でのHPF普及の正念場。(妹尾氏)
- HPF動作環境について (ベンダ3社)
前回,岡部氏よりHPFの言語仕様書に明記されていない部分についてのベンダ各社の仕様に関する質問リストが提示されたが,今回,各社が回答を行った。詳細は各社の資料を参照。以下には主な質疑応答を記す。
- NEC
- ALL COPYデータをループ内で更新した場合,ブロードキャストのタイミングは?(岡部氏)
→ できるだけループの後にまとめる。(N)
ALL COPY配列の場合,更新された要素だけがブロードキャストされるのか?(航技研中村氏)
→ Yes。(N)
- ループのマッピングはどのように決めているか?
→ 左辺と右辺の参照のマッピングを数えて多数決を取る。(N)
- スカラプロセッサへマッピングされたデータはALL COPYと同じ扱い。(N)
→ 何も書かないのと同じことか? (坂上氏)
→ Yes。(N)
- ONTO省略時の暗黙のプロセッサの形状は,分散されている次元数と同じと仮定する。(N)
→ 各次元のプロセッサ数は?
→ (全プロセッサ数, 1, 1, ・・・, 1)とする。他にprocessors宣言があっても無関係。(N)
- 実引数にF90の部分配列(コロン形式)を書いた場合,コピーは出るか?
例 call sub(a(:5))
→ 場合による。(N)
→ どのような場合にコピーが出るかは,ベンダによって異なるだろう。(F, H, N)
- MPIとの共存で,どのプロセッサで実行するかを指定する必要があるか?(航技研中村氏)
→ 呼ばれ側(MPI側)でMPI関数によって自プロセッサ番号を取得すればよい。(N)
- MPIでメインプログラムを書き,中でHPFを呼びたい。特に,マルチブロックアルゴリズムで,ブロック内をHPFで書きたい。(航技研中村氏)
- ローカル手続きを少し拡張して,HPFで通信が書けるようにできないか?(岡部先生)
- 速度優先かメモリ優先か・・・・現在は速度優先。(N)
→ 各PEでメモリ量を考えてプログラムしたい。(航技研中村氏)
→ 作業領域をどれだけ確保したかメッセージを出してほしい。(坂上氏)
→ 実行時の最大メモリ量は表示できる。(N)
- HPF指示文を含まないFortranプログラムは,基本的にHPFで翻訳および実行が可能だが,実/仮引数の形状不一致がある場合は不可(sequence指示必要)。(N)
- MPI_WTIMEで時刻を得ると,現在はプロセッサ0番の値が返る。 (N)
- 翻訳時診断メッセージとして,計算マッピング,通信範囲,通信種類を出力可能。(N)
- 通信時間を知るツールがあると良い。
- 富士通
- スカラプロセッサ構成の具体的用途は?
→ 不明。言語仕様上の統一性か?(F, H, N)
→ ALL COPYを指示する簡便手段として使えないか?(坂上氏)
→ 本来の意味と違うので不適当。(太田)
→ しかし,ALL COPYの簡便記法はほしい。(航技研中村氏)
- ONTOを省略した場合の解釈はコンパイルオプションで変更できるようにする予定。(F)
- MPIとの結合は,Fortran_localで実現予定。
- 作業領域のメモリ量を表示する手段は?(坂上氏)
→ まだ無い。(F)
- 時間計測ルーチンfjhpf_gettodは,活動プロセッサ内で値の一致制御を行う。(F)
→ 動作解析のときは,個々のプロセッサの時間を知りたい。(航技研中村氏)
- スカラの値の一致はいつ取るか?(航技研中村氏)
→ 代入毎に毎回。なおindependent DOループ内ではNEW指示が必要。(F)
- NEW指示を忘れたときにwarningを出せないか?(渡辺氏)
- independentループ内のスカラはデフォルトNEWにできないか?(坂上氏)
→ スカラに限らず,ALL COPYを明示的に宣言してあるデータはデフォルトNEWにしてはどうか?(岡部氏)
→ 難しい。次期HPF/JAの課題。(F, H, N)
- HPF指示文を含まないFortranプログラムが実行可能かについての議論
- 巨大プログラムを段階的にHPF化するために是非必要。(坂上氏)
- 初心者がHPFを試してみる場合に必要。試してみやすいかどうかでHPFの未来が決まる。(渡辺氏)
- 一部のみをHPF化したときに,他の部分で通信が発生して遅くなるのは避けてほしい。(航技研中村氏)
- 段階的HPF化には取り組んでいるが未実現。タスク並列関連が弱くなる可能性がある。ONの中から呼ばれるサブルーチンがある場合に一致制御が必要になる。(F)
- 逆に,一部分だけ逐次実行という指定もほしい。(岡部氏)
→ ON(P(1))を使ってはどうか? (妹尾氏)
→ ONを閉じないと複数プロセッサに戻れないのが問題(?)
- 逐次プログラムからHPFを呼び出す仕様(HPF_MAIN)は,呼び出しが1回だけなら簡単だが,何回も呼び出されると難しい。(妹尾氏)
- 富士通のHPFの対象プラットフォームは? (航技研中村氏)
→ VPP800とVPP5000。(F)
→ 裾野を広げるため,Enterpriseにも載せてほしい。(航技研中村氏)
- 日立(前2社と重複が多かったことや時間のため,議論は少なかった)
- HPF指示文を含まないFortranプログラムが実行可能か?
→ 実/仮引数の形状不一致がある場合にsequence指示を入れれば可能。(H)
→ デフォルトをsequence属性にするオプションがあるか?
→ 現在は無し。 (H)
- ベンダ3社への宿題
- 次回までに,統一可能性を検討しておく。
- 差分一覧表を作る。
- 本日の議論に基づき,HPF/JA仕様への追加項目を検討。
- SC'99展示について
- その他
- 情報処理学会HPC 研究会(12月3日,NECユーザサロン)は,HPFがテーマ。JAHPFから3件発表予定。jahpfメーリングリストにプログラムを流す。
- 妹尾氏が11月のオーストラリアの学会(BMRC Workshop)にてJAHPFの話をする予定。
- HPF/JA言語仕様書の英訳はSC'99までに最終版公開予定。
- 新規ユーザ会員募集は,ベンチマーク評価によって客観的に良し悪しを明確にさせた後が良い。(RIST中村氏)
- ICCFDでHPF評価を発表してはどうか?(航技研中村氏)
- 事務連絡
- 次回JAHPFは,2000年1月28日(金) 13:30〜17:00 地球フロンティア会議室(浜松町)にて。
以上