第18回 HPF合同検討会 議事録

  1. 日時 : 1999年04月15日(木) 13:00〜16:30

  2. 場所 : 財団法人 高度情報科学技術研究機構(中目黒) 大会議室

  3. 出席者: 以上28名

  4. 配布資料
  5. 前回議事録確認
    特になし。

  6. 新規会員紹介
    及川氏(気象庁)が新規入会された。

  7. 検討議事
    1. NJRモデルのHPF化について
      秦氏 (資料[3]) から状況の報告。
      HPF化は一応終了。大変だったが、その理由を切り分けて明確にしたい。
      NEC 佐々木氏 (資料[4])、日立 水見氏 ([5])、富士通 中嶋氏 ([6]) からプログラミング上の工夫、性能測定結果、HPF化の問題点等について報告。
      以下のような問題点が挙がり、議論となった。
      • 言語の制約について
        • 仮引数・実引数間での配列形状の不一致を認めないのは不便。
          … 制約を外すことはできないのか?
          … descriptive form の引数はノーチェックという仕様にすればできる?
          → 仕様として厳密化するのは難しそう。
          … 現状では不一致だとどうなる?
          → 実装依存。実行時に落ちることが多い。
        • 配列の一部を (アドレス渡し的に) サブルーチンに渡せないのは不便。
          … 部分配列渡しを A(40:60) のように明示的に書くのではだめか?
          → 一時領域へのコピーが入らないならその程度は我慢できる。
          → 仕様として書ける書けないの話と、性能の話とは分けて考えたい。
        • 同一の変数・配列を実引数に複数個渡せないのは不便
        • 「非分散」の書き方が面倒 or 簡便な方法は処理系依存。
          … 仕様上「実装依存」の部分の解釈を、ベンダ間でさらに統一する必要。
          → 坂上先生主導で、ベンダに要望を出す機会を設ける。
        • 以上の問題は実はHPFの問題ではなく、古いFortranをF90化する際の問題では
          → ユーザは、対処法が統一されていればそこまでは歩み寄れる。
        • 並列I/Oの仕様の検討・明確化が必要
          → 各社対応がまちまち。相談する必要あり
      • JAHPF拡張について
        • shift転送に対してreflect/localによるデータ転送制御が有効だった(富士通)
          → それほど必要性は感じなかった(NEC)
      • 記述量について
        • 配列数が多く、分散指示の記述量が膨大となる。記述忘れも増える。
      • その他・処理系に依存する問題について
        • コンパイラの出すメッセージが不充分で、チューニングの参考にならない。
        • 整合配列、entry文、分割コンパイル等に制限があるのは困る。

    2. NPBの並列化について(資料[7])
      NPB 2.0 (MPI版) で使われている「ツイスト分散」手法に関して
      • いまのHPFで書くのは困難。
      • 有効な場合は限られそうなので考慮するのは後回しでよい。。
      全体的なコメント
      • HPF化のための記述量が少ないのは希望が持てる。

    3. 和訳の出版について(資料[8][9][10])
      事務局より報告
      • 題名について『High Performance Fortran 2.0 公式マニュアル』に決定。
      • まえがきについて Kennedy 先生、矢川先生より快諾を得た。
      検討事項
      • メンバーからの解説は?
        → 妹尾氏がコーディネートし、ベンダー側で用意する。
      • 契約上、類似の出版物は出せない。各社のマニュアルはどうするか?
        → 富士通は本書を参照させる。NEC は別に作るが、出版社と調整が必要か。
      • 公式マニュアル宣伝文章
        → 意見があれば至急事務局へ。
      • さくいんは入れる?
        → 訳語対照表は入れたい。さくいんは作るのが大変。今回は見送る。

    4. HPF/JA仕様の英訳について
      • ベンダ側で用意する。HUG99 までに完了を目標に。
      • HPF和訳の付録にJA仕様が付いているが、JAの英訳は契約上出版できるのか?
        → 出版社に確認・調整する。

    5. JAHPFの今後の進め方について
      • プログラム評価作業について、項目を洗い出し、見通しを立てたい。
        → 次回までにリストアップ、坂上先生がとりまとめる。
      • NPB など各社で持っているものを JAHPF 標準としてまとめられないか?
      • ユーザー会員をもっと増やすべきでは?
      • ホームページに過去の資料を全部置くようにはできないか?
        → パスワード管理のページを作り、会員のみに公開
        → 資料は著者が公開区分(一般/会員のみ)別に提出。→ 方法は後日末安氏より連絡。

    6. HUG99について
      • 5月のハワイは中止。8月にカリフォルニアで開催
      • HPF/JAの適用例 (妹尾氏)、NPBのHPF化 (太田氏)、坂上先生1件、宣伝等で、計3〜4件出す予定。


  8. 事務連絡


以上