第17回 HPF合同検討会 議事録

  1. 日時 : 1999年01月14日(木) 14:00〜17:00

  2. 場所 : 財団法人 高度情報科学技術研究機構(中目黒) 大会議室

  3. 出席者: 以上31名

  4. 配布資料
  5. 新規会員紹介
    中村孝氏(航技研),松尾裕一氏(航技研),新宮哲氏(地球シ)が新規入会された。ユーザ会員として参加。

  6. 検討議事
    1. WG1報告
      HPF/JA1.0最終版が完成した。JAHPFホームページにて公開。今後は英訳作業を行う。

    2. 3次元流体コードのHPF化 (坂上氏)
      • 前回に引き続き,NEC/Cenju上で流体コードのHPF化を行い評価した。
      • 前回うまく並列化されていなかった部分を改善し,主要ループがすべて分散されるようにした。
      • データ分散としては,
        • ・方向固定の1次元分散
        • ・方向固定の2次元分散
        • ・各方向への再分散
        などを試した。
      • yz方向固定の2次元分散が最も性能が良く,60台程度のときでも,8割程度の効率が得られた。
      • 1050行(コメント無し)の元コードに対して,挿入したHPF指示文は50行程度であった。
      • Fortranソース修正としては,作業配列の宣言を変更する必要があった。
          元コード:
                dimension w(3n)
                call sub(w(1),w(n+1),w(2*n+1))
                   :
                subroutine sub(a,b,c)
                dimension a(1),b(1),c(1)
        
          修正コード:
                dimension w1(n),w2(n),w3(n)
                call sub(w1,w2,w3)
                   :
                subroutine sub(a,b,c)
                dimension a(n),b(n),c(n)
        

    3. NJRモデルのHPF化 (RIST, 3社)
      RISTからベンダ3社に対して,NJRモデル(地球シミュレータプログラムの一部)のHPF/JA化の評価作業が委託されている。
      その進捗状況や課題について,3社から報告が行われた。
      各社から以下のような問題が指摘された。
      • 元コードがMPIなので,逐次コードに戻す作業が必要。
      • 緯度方向と経度方向の処理の間で配列の転置(または再分散)が必要。
      • 元コードで,本来2次元(緯度方向と経度方向)の配列が1次元化されている部分があり,コンパイラによる解析が困難。
         → HPF/JA拡張のon home, localが必要。
      • 分散配列や分散ファイルに対する入出力があり,そのままではHPFコンパイラが巨大なワーク配列を取ってしまいメモリを浪費する。
         →小さな非分散ワーク配列に少しずつ読み込んで分散配列にコピーする,というソース修正で対応。
      • ルーチン毎に配列宣言の次元数が異なっている。これはHPFでは禁止。
         →次元数を統一する,または,異なる次元のワーク配列にコピーする,などの修正が必要。
         →修正作業コストが大。
      • 呼出し元で実引数に同一配列を複数指定している。
         →一方をワーク配列に変更。

    4. HPF2.0日本語訳出版
      シュプリンガー・フェアラーク東京から出版が決定。発行部数400部,単価6000円。3社で100部買い取りが条件。
      前書きをKennedy教授,矢川教授にお願いしてみる。

    5. NAS ParallelベンチマークのHPF化(その2)については,時間の都合で次回とする。


  7. 事務連絡


以上