- 日時 : 1998年4月8日(水) 13:00〜16:30
- 場所 : 財団法人 高度情報科学技術研究機構(中目黒) 大会議室
- 出席者:
- 柄谷 和輝 (高度情報科学技術研究機構)
- 林 康晴 (日本電気)
- 岩下 英俊 (富士通)
- 河合 伸一 (宇宙開発事業団)
- 松元 亮治 (千葉大学)
- 三好 甫 (地球シミュレータ研究開発センター)
- 水見 俊介 (日立製作所)
- 中村 壽 (高度情報科学技術研究機構)
- 布広 永示 (日立製作所)
- 荻津 格 (東京大学)
- 大竹 和生 (気象庁)
- 岡部 寿男 (京都大学)
- 岡田 信 (富士通)
- 太田 寛 (日立製作所)記
- 坂上 仁志 (姫路工業大学)
- 左近 彰一 (日本電気)
- 妹尾 義樹 (日本電気)
- 末広 謙二 (日本電気)
- 末安 直樹 (富士通)
- 高橋 俊 (日立製作所)
- 谷 啓二 (宇宙開発事業団)
- (事務局)秦 万美子 (高度情報科学技術研究機構)
- (事務局)高橋 由香 (高度情報科学技術研究機構)
以上23名
- 配布資料
- 第14回HPF合同検討会議事次第(事務局)
- 第14回HPF合同検討会配布資料一覧(事務局)
- 第13回HPF合同検討会議事録(案)
- HPFベンチマーク(その1) (高橋氏)
- HPFベンチマーク(その2) (水見氏)
- HPF+ Workshop Abstract (妹尾氏)
- 新規会員紹介
水見俊介氏(日立製作所)が紹介された。ユーザ会員として参加。
- 検討議事
- WG3進捗状況報告
高橋氏,水見氏により,ユーザ会員提供ベンチマーク5本のHPF化が報告された。
- Car-Parrinello法 (荻津氏提供)
- 手続境界の再マッピング,分散ループからのサブルーチン呼出し,Fortranルーチンとの結合などが特徴。
- 再マッピングを利用するために,オリジナルプログラムの配列データをCOMMON→モジュール→引数と変更しなければならなかった。
以下質疑応答
- モジュール配列の再分散をどう記述すべきか。
ワーク配列への代入で解決したい。(荻津氏)
そもそもモジュール配列の再分散はできるべき。(妹尾氏)
手続戻り時のマッピングをRANGE指示で書けないか。
→現在は仮引数とポインタにしかRANGE指示は書けない。
ワーク配列を使うとメモリが2倍必要ではないか。
→元の配列は実はもう1次元あり,1断面ずつ再マップすればよい。(荻津氏)
実引数に部分配列を書けば良いのではないか。
- 複数の手続内のリダクション演算に対する通信を,全手続終了後に1回だけ行いたい。(荻津氏)
→現状のHPFでは困難。
- NEW, REDUCTIONに仮引数を書けないのは不便。(高橋氏)
→仮引数を書かれても実装上特に問題はない。なぜHPFが禁止しているのか不明。(ベンタ)
- JAHPF仕様は使ったのか。
→使わなかった。(高橋氏)
- 当初の出題は,モジュール,allocatable,多次元分散,であったことを忘れないでほしい。(荻津氏)
- PIC法 (坂上氏提供)
- 格子配列を分散する方法と,粒子配列を分散する方法が考えられるが,前者は現状のHPFでは困難。
- ベクトル化のために,1重ループを2重化して外側ループを分散並列化したいが,現状のコンパイラでは分散されなかった。1重ループに戻せば分散される。
以下質疑応答
- 格子配列への足し込みはINDIRECTになるのか。(妹尾氏)
→Yes。ただし( ,PU)で書けば,ローカルになる。(高橋氏)
- 本来は格子配列を分散するのが筋ではないか。(谷氏)
→シャドウへの足し込みが必要,粒子のプロセッサ間移管が困難,などの長い議論の末,検討継続となった。
- 3次元TVD法 (坂上氏提供)
- 差分なので,比較的簡単にHPF化できた。
- 呼出し元でシャドウに値が設定されていても,呼出し先で再度シャドウへの通信が発生し,性能低下している模様。JAHPF仕様のREFLECT, ON HOME, LOCALが必要か。
以下質疑応答
- HPF出力ソースから人手で不要通信を削除すれば,JAHPF仕様の効果が分かるのでは?
- MICCG法 (理研清水氏提供)
- 原作はハイパープレーン法で並列化。同じアルゴリズムでHPF化すると,余分なデータ転送が発生し性能出ない。
- 素直に書いてコンパイラのパイプライン並列化に任せた。
以下質疑応答
- パイプラインのピッチを指示できると良いのでは?(妹尾氏)
→チューニングの助けにはなるだろう。ただし3次元問題ならば多くの場合1で良いはず。(太田)
- CIP法 (阪大田口氏提供)
- 3次元の差分法
- 異なる配列を実引数として同一ルーチンを何度も呼び出す。SHADOW情報を合わせるために不要なSHADOWを確保せざるを得なかった。
- 変数im1にif条件下でi+1またはi-1を代入し,配列添字としてa(im1)のように記述したいが,そうするとコンパイラがループ分散してくれない。REFLECT+ON HOME, LOCALがあれば便利。
以下質疑応答
- if条件を実は通らないときに,HPFでは領域外アクセスを起こす危険はないか。
→HPFコンパイラまたは実行時ライブラリが対処すべき。
- 転写的なSHADOW指示が書けるとよいのでは?(岡部氏)
- 上側または下側だけのREFLECTや,次元毎のREFLECTがあるとよいのでは?
→必要があれば,実装はできそう。(ベンダ)
- 今後のベンチマーク収集に関して
- 嶋氏(川崎重工)にFEMを打診してみる。
- 提供ソースコードは原則としてJAHPF内ではオープンとする。
- JAHPF配布資料レベルならば一般公開しても良いのでは?
- WG1進捗状況報告
太田より以下が報告された。
- HPF2.0日本語訳は,第0.2版完(訳語,文体統一版)。その後,相互レビューとその反映がほぼ完。スタイルを調整後,正式版とする予定。
- HPF/JA仕様書は進捗なし。
今後の進め方について
- 4月中にHPF2.0日本語訳,HPF/JA仕様書をJAHPFホームページにて一般公開する。
HPF/JAについては現状(第0.9版)のままでよいが,「レビュー中であり,最終版とは異なる可能性がある」と注を付ける。
- ホームページ公開について
- HPF2.0日本語訳,HPF/JA仕様書の公開に合わせて,JAHPFホームページを一般公開する。
- ベンチマークのソースコードの一般公開については,別途検討する。
- 外部発表について
- HUG'98(HPF User Group, 6月,ポルトガル)は,坂上氏(+妹尾氏+α)で参加の方向。ベンチマーク5本の結果を報告したい(関係者の許可があれば)。
- HPF+ Workshop (4/23, アムステルダム)に,妹尾氏が参加。HPF/JA仕様を発表予定。(ベンチマーク結果も許可があれば)
- 京大セミナー (3/3)報告。妹尾氏,太田,岩下氏,坂上氏,高橋氏で講演。聴講者数述べ50人程度。
- 事務連絡
- HUG旅費はRISTで予算化方向で検討中。
- 次回JAHPFは,'98年7月8日(水) 13:00〜16:30 RIST中目黒にて。
以上