- 日時 : 1997年10月16日(木) 午後1:00-5:00
- 場所 : 財団法人 高度情報科学技術研究機構(中目黒) 大会議室
- 出席者:
- 林康晴(日本電気株式会社),
- 岩下英俊(富士通株式会社),
- 神谷幸男(富士通株式会社),
- 河合 伸一 (宇宙開発事業団),
- 升本 順夫 (東京大学大学院),
- 三浦 謙一 (富士通株式会社),
- 三好甫(地球シミュレータ研究開発センター),
- 長嶋 利夫 (株式会社三菱総合研究所)
- 布広永示(株式会社日立製作所),
- 荻津格(東京大学物性研究所),
- 大竹 和生 (気象庁)
- 岡部 寿男 (京都大学)
- 岡田信(富士通株式会社),
- 太田寛(株式会社日立製作所),
- 坂上仁志(姫路工業大学),
- 左近彰一(日本電気株式会社),
- 妹尾義樹(日本電気株式会社),
- 清水 鉄也 (理化学研究所)
- 末広謙二(日本電気株式会社),
- 末安直樹(富士通株式会社),
- 高橋俊(株式会社日立製作所),
- 高村守幸(富士通株式会社),
- 谷啓二(地球シミュレータ研究開発センター)
- 山崎昇(株式会社富士総合研究所),
- (事務局)秦万美子(高度情報科学技術研究機構)
- (事務局) 高橋 由香 (高度情報科学技術研究機構)
以上26名
- 配布資料
- 第11回HPF合同検討会議事録
- 第12回HPF合同検討会議事次第(事務局)
- 第12回HPF合同検討会配布資料一覧(事務局)
- HPF合同検討会メンバー一覧(事務局)
- JAHPF拡張仕様一覧(WG1)
- 並列ループ内からの手続呼び出しについて(末広氏)
- 通信スケジュール再利用(妹尾氏)
- 今後の進め方について(議長:妹尾氏)
- 新規会員紹介
- 岡部寿男氏 京都大学大型計算機センター研究開発部助教授
- 大竹和生氏 気象庁予報部数値予報課
- の2名が紹介された。
- 検討議事
- WG1活動状況報告(太田氏)
- JAHPF仕様:検討中
- 訳語決定:150個の内、9割完
- HPF2仕様書の日本誤訳:第0版が完了(ただし訳語の統一は未)。
統一出来次第(第1版となる) JAHPFホームページにて公開
- JAHPF拡張仕様一覧
- FULL SHADOW(林氏)
- (質疑)
- redistributeは可能か? → YES
- サブルーチンパラメータに書かれた時の影響は? → inherit時は継承
- 集計種別指定(太田氏)
- リダクションの訳語として、集計を使用している。
- 前回までに比べ、構文を簡潔にすることと、意味の厳密な定義を検討した。
- (質疑)
- SUM=Sの記述は必須か? → SUMだけ書けばHPF2の意味となる。
- 実際にはMAXを取っていないのにMAXVALと書いたら文法エラーか、それとも
MAXを取ってしまうのか? →検討中のところである。
- 並列ループからの手続呼び出し(末広氏)
- 新たな実行モデルであったextrinsic(private)の提案は取り下げる。
- 仮引数や大域データのアクセス範囲に関する情報を指定できるよう
手続引用仕様(interface block)を拡張
- (質疑)
- inferface blockの拡張とは、Fortran95に対する(directiveなしの)拡張か?
→ この提案ではYes.
- Fortran95の拡張となると影響が大きいので、directiveで出来ないかどうか
検討して欲しい。
→ 了解。
- 非同期転送(岩下氏)
- 特に質疑無し
- LOCAL指示(岩下氏)
- (質疑)
- 前回からの変更は?
→ 意味的な部分で明確化しただけで、大きなレベルでの変更は無し。
- 明示的なSHADOW設定
- (質疑)
- 何度も更新する時、コンパイラが勝手にshadowを埋めるのではなく、全て
reflectでユーザが書けるように出来ないか?
→ コンパイラとしては、配列に代入する所と参照する所の2通りの実現方式がある。
参照する所でやるとして、コンパイラが最適化で前に持って行って、reflectを
超えて上に行く場合問題だ。(コンパイラが賢すぎる場合に問題。)
- サブルーチンをまたがって値を設定して、最後にreflectしても良いのか?
→ 現在のインプリメントは、参照時にshadowに値を埋める時だけコンパイラが
使うので大丈夫であろう。(つまり参照までは何も使わない)
- 上記のようなことを実装者へのアドバイスとして、記述しておく事にする。
- HOME節のSHADOW拡張(岩下氏
- まだ検討中であるが、以前ON HOME WITHSHADOWと言っていたものを、
ON EXT_HOME(V):Vの実体またはSHADOWの配置先プロセッサが実行
ON EXT_HOME(V,(シャドウ幅))
にした。これらにはLOCAL指定が必要である。(SHADOW部分で通信を
発生させないため)
なお、SHADOW関係は、LOCAL,REFLECT,EXT_HOMEに集約した。
- (質疑)
- 右辺の参照側で袖の袖が必要な場合は? →この書き方は使えない。
- 計算部分では、袖の袖を使うより、通信した方が良いかも知れない。
(袖の袖を持って来る時にも通信が必要なので)。
通信と計算の量に依存する。
- ON HOMEの方を拡張してSHADOW付にしてはどうか?
SHADOWなしの時にはSHADOWなしのテンプレートを使う事にして。
→ 計算したくない場合があり、テンプレートでSHADOWなしには出来ない
場合がある。
これはユーザ側で実際の問題で検討して、意見をうかがう事にする。
-
- 以下のように仕様をシンプルにした。
- 複数のループ間のパターンの共通化ではなく、1つのループが何回か
(さらに外側の)ループで実行される時のみ共通化。
- 「通信パターン」ではなく、間接参照のインデックスが変わらないことを
指定する。IF文下で実行される場合は、IFの条件も同一でないとダメ。
- (質疑)
- 配列参照はインダイレクトでなくてもよいか? → インダイレクトでなくてもよい。
- テストプログラム/ベンチマーク開発の検討状況の確認
- カーネルループの100行程度を抜き出して集め、JAHPFベンチマークとして
整備したい。
- 公開を考えているので、ソースコードを公表してもよいもの。
- 各ユーザから1〜2本を希望。
- JAHPFの拡張が使えるようなパターンのプログラムにして欲しい。
- 来年の3月までにJAHPFとして収集し、各ベンダで評価することとしたい。
- 各社の性能を見たい。
- (質疑)
- JAHPF仕様はすぐにはインプリメントされないので、現時点ではメーカ側
でユーザの意図通り動くように手を入れるかも知れない。
- (JAHPFでない元もとの)HPFのベンチマークプログラムは世の中にあるのか?
→ 少しあるようだ。
- MPIバージョンとの比較は出来ないか?
→ ユーザ側でMPI版を作る時間が無い。何本かピックアップしてやることも
先の話として検討したい。
- 本当はユーザ側でHPF化してほしいが、まずユーザ側にシングル実行
のプログラムを出してもらって、ベンダ側または日立の高橋氏と協調して
HPF化を行なう事とする。
- ホームページについて(高橋氏)
- 第1〜3回に行なったHPF仕様説明のOHPをWebで公開したい。MS-WORD、PowerPoint、
またはJLaTeXで送ってもらえれば変換可能。
- 現在のアドレスは
http://www.tokyo.rist.or.jp/~shunchan
ただし、トップにこれはまだ非公式ですとのコメントを入れておき、
勝手に見るものがいても拒まない。
- ホームページでは無いが、メーリングリストのアドレスもnecからristドメイン
に移す。(WG1,2,3のメーリングリストも)
- 今後の進め方(妹尾氏)
- 今年度内に、JAHPF仕様Ver1.0を出す。
- 並行してユーザ会員中心に評価する。
- 組織の形態は、今年度内は基本的に現行メンバ中心とし、予算内で
(2〜3名)、積極的に活動していただける新規会員の入会を可とする。
- 総会は2〜3か月に1回、活動内容の総括を行なう。具体的な作業はWGで行なう。
- オープンなワークショップを開催する。時期は検討。
- 普及促進、宣伝もJAHPFの活動であって、JAHPFの了承があれば発表しても良い。
- (質疑)
- コンパイラ実現状況が見えない段階で、普及促進しても良いのか?
→それは、ベンダ側の問題であって、JAHPFの普及とは切り離して考えて欲しい。
- なお、以下の3件の発表が了承された。
- 富士通ユーザ会。97年11月6〜7日。発表内容は、岡田氏の講演とポスター
セッションでのJAHPFの活動、拡張仕様の紹介。対象は富士通のスパコン
ユーザ約100名。
- RISTの地球環境シミュレーションシステム開発推進委員会の並列技術研究で
JAHPFの活動紹介を妹尾氏が行なう。(10月27日)
- 原研の研究会(11月5日)。妹尾氏がHPFの説明。高橋氏が使用経験。
JAHPFにも若干触れる。
- 事務連絡
-
次回の総会は98年1月14日(水) 1:00-4:30 に行なう。
内容は 0.9仕様、日本語訳など。
以上