- 日時: 1997年6月18日 (水) 10時00分〜17時00分
- 場所: NEC中央研究所 A212会議室
- 出席者(氏名アルファベット順,敬称略)
- 林康晴(日本電気株式会社), 岩下英俊(富士通株式会社),
- 神谷幸男(富士通株式会社), 小林篤(株式会社日立製作所),
- 三好甫(地球シミュレータ研究開発センター), 長嶋利夫(株式会社三菱総合研究所),
- 布広永示(株式会社日立製作所), 荻津格(東京大学物性研究所),
- 太田寛(株式会社日立製作所), 坂上仁志(姫路工業大学),
- 左近彰一(日本電気株式会社), 妹尾義樹(日本電気株式会社),
- 嶋英志(川崎重工業株式会社), 新内浩介(株式会社日立製作所),
- 末広謙二(日本電気株式会社), 末安直樹(富士通株式会社)(記),
- 高橋俊(株式会社日立製作所), 高村守幸(富士通株式会社),
- 山崎昇(株式会社富士総合研究所),
- (事務局)秦万美子(高度情報科学技術研究機構)
以上20人
- 配布資料
- 第10回HPF合同検討会 議事次第 (事務局)
- 第10回HPF合同検討会 配布資料一覧 (事務局)
- 第9回HPF合同検討会 議事録 (左近氏)
- JAHPFの今後の活動方針(たたき台) (妹尾氏,坂上氏)
- 非同期転送仕様(案) (岩下氏)
- バッファ制御機能(提案取り下げ) (妹尾氏)
- 通信スケジュール再利用 (妹尾氏)
- 終値保証指示(MAXLOC,MINLOCの代替案) (太田氏)
- 領域管理 SHADOW指示行の拡張 (林氏)
- SHADOW関連の拡張仕様(案) (岩下氏)
- LOCAL節/指示文の仕様(案) (岩下氏)
- SR2201におけるストライピングファイル機構 (小林氏)
- 並列I/Oについて (左近氏)
- JAHPF活動の対外発表ルールについて(案) (神谷氏)
- HPF仕様の検討議事
- 非同期転送の仕様について
[修正案の趣旨説明] (岩下氏)
- REDISTRIBUTE指示文とREALIGN指示文の対象変数については、非同期転送
中はマッピングを問い合わせることができないことにした。
- 非同期整列に固有の制約の対象を、直接の整列先から最終的な整列先に変
更した。
- NOBUFFERというキーワードは不自然であるとの意見を追加した。
[討議内容]
- NOBUFFERではなく、BUFFEREDを指定させるのはどうか?
⇒ デフォルトを安全側にしたい。
- HPFの他の仕様と比べると、方針的にはBUFFEREDではなくNOBUFFERを指定さ
せる方が自然。
- ASYNCなし,ASYNCあり,ASYNC&NOBUFFERあり,の三階層が必要だとは思えな
い。ASYNCなし,ASYNC&NOBUFFERあり二階層で十分だと思う。
[採決]
- デフォルトどうするか?(straw poll)
NOBUFFER 2 BUFFERED 10 棄権 2
- 提案を採用するか?
賛成 13 反対 0 棄権 4 ⇒ 提案を採用することに決定した。
- RANGE指示について
[提案の趣旨説明] (太田氏)
- RANGE指示により、コンパイラはINHERITE指示のある仮引数の分散を限定
することができる。
- HPF2.0(AE)のRANGE指示への代替案として、場合分け形式のRANGE指示文を
提案する。
[討議内容]
- INDIRECT分散が第一版に入らないため、第一版におけるRANGE指示文の必
要性も少なくなった。
- 将来、INDIRECT分散を加える場合には、RANGE指示文も必要になる可能性
がある。
- 今後は、INDIRECT分散の議論と一緒に扱うことにする。(妹尾議長)
[採決]
- RANGE指示文(AEまたは代替案)が第一版で必要であるか?
必要 1 不要 10 棄権 6
⇒ 第一版ではRANGE指示は採用しないことに決定した。
- バッファ制御機能(提案取り下げ)について
[提案取り下げの趣旨説明] (妹尾氏)
- 手続き間のバッファ制御では、新たな変数の導入で十分に代用できる。
- REALIGN/REDISTRIBUTEにおけるバッファ制御は仕様が複雑過ぎる。
[討議内容]
- 一般に、コンパイラはバッファを残し過ぎている。バッファ制御は、ユー
ザーに任せるべきである。
- 提案取り下げを認める。(議長)
- 終値保証指示について
[提案の趣旨説明] (太田氏)
- MAXLOC,MINLOC指示への代替案として、終値保証指示を提案する。
[討議内容]
- この仕様では、.LT.の場合と.LE.の場合の両方を実現することができない。
- 検討を継続することにする。(議長)
- SHADOW指示行の拡張について
[提案の趣旨説明] (林氏)
- FULL割付けを指定できるように、SHADOW指示文のshadow-specを拡張する。
- BLOCK DATAプログラム単位中で初期化されている共通ブロックの配列には、
FULL SHADOW指示行を指定しなければならないことにする。
[討議内容]
- 文法的にはfull-shadow-specをshadow-specの中に含めておいて、制約で
縛れば十分ではないか。
- manual shadowとの矛盾は無いと思う。(岩下氏)
- full shadowと部分reflectをペアで使いたい。
- プロセッサローカルな変数も欲しい。
[採決]
- 提案を採用するか?
賛成 15 反対 1 棄権 1 ⇒ 提案を採用することに決定した。
- SHADOW,LOCAL関連の拡張仕様について
[修正案の趣旨説明] (岩下氏)
- RESIDENT指示文へのwithshadow-phrase拡張を撤回する。
- LOCAL指示文によってshadowの参照や定義を表現する。
[討議内容]
- 部分reflectの必要性はあるか?
⇒ 片方向だけといった使い方は考えられる。
- reflectに、WITHSHADOW節のshadow-attr-stuffを採り入れたらどうか?
- reflectの対象に部分配列を含めて欲しい。
- 同じ実体に対するshadowが複数ある場合に、片方のshadowだけが更新され
るといった場合が考えられるが、構わないか?
⇒ ユーザ責任の範囲である。
- ユーザ側からの要求仕様は既に含まれているため、reflectの拡張案
(shadow-attr-stuff,部分配列)は、ベンダーに任せたい。(議長)
[採決]
- 提案を採用するか?
賛成 16 反対 0 棄権 3 ⇒ 提案を採用することに決定した。
- 通信スケジュール再利用について
[提案の趣旨説明] (妹尾氏)
- HPF+で採用されたInspector/Executor向けの仕様を提案する。
[討議内容]
- INDEPENDENT文にON HOMEが書けることが気になる。
⇒ これはHPF+での拡張である。
- 資料中の例において、変数BとCの分散が異なっても、同じスケジュールを
利用できるか? ⇒ できる。
- スケジュール変数は配列にできるとよい。
- スケジュールの共用については、変数やindex変数の組合せにおいて自由
度を持たせて欲しい。
- 右辺にも左辺にも現れる変数は、GATHER,SCATTERの両方に指定できるのか?
- 検討を継続する。(議長)
- 並列入出力機能の紹介
- SR2201におけるストライピングファイル機構 (小林氏)
[質疑内容]
- SR2201では、全てのPEでI/Oすることができるか?
⇒ いいえ。
- ファイルのブロックサイズと分散配列のブロックサイズを確実に合わせる
ことが可能か?
⇒ 必ずしも可能ではない。従って入出力が偏ることもあり、それも許さ
れる。
- 入出力の分散はだれが行なうのか?
⇒ コンパイラがSPMDコードを生成する際に別々の入出力に分散させてい
る。
- 並列I/Oについて (左近氏)
[質疑内容]
- FILEMAP仕様がHPFで採択されなかった理由は何か?
⇒ ハードに依存する部分が多かったためだろう。
- PREAD,PWRITE文が緩めたレコード規則とは何か?
⇒ バックスペース絡みだと思う。
- JAHPFの今後の活動方針について (妹尾議長,坂上議長)
[討議内容]
- 組織の形態が重要である。
- 準会員のイメージは?
⇒ 義務を負わず,決定にも参加せず,情報の通知は受ける程度だと思っ
ている。
- HPFコンパイラは提供できるか?
⇒ 提供できる。(ベンダー各社)
- JAHPF活動の対外発表ルールについて (神谷氏)
[討議内容]
- 基本的にはオープンにしていきたい。(妹尾議長)
- 主題がJAHPFである場合には、このルールが妥当だ。
- 事務連絡
次回は7月2日(水)に開催する。
以上