第8回HPF合同検討会議事録(案)
1. 日時 : 1997年5月14日(水)10時00分〜17時00分
2. 場所 : 財団法人高度情報科学技術研究機構(中目黒)大会議室
3. 出席者(氏名アルファベット順)
青山裕司(東京大学), 林康晴(日本電気株式会社),
岩下英俊(富士通株式会社), 神谷幸男(富士通株式会社),
河合伸一(宇宙開発事業団), 小林篤(株式会社日立製作所),記
松元亮治(千葉大学), 三浦謙一(富士通株式会社)、
三好甫(地球シミュレータ開発センタ),室井ちあし(気象庁),
長嶋利夫(株式会社三菱総合研究所), 中村寿(高度情報科学技術研究機構),
野方康一(株式会社日立製作所), 布広永示(株式会社日立製作所),
荻津格(東京大学物性研究所), 谷啓二(地球シミュレータ開発センタ)、
岡田信(富士通株式会社), 太田寛(株式会社日立製作所),
坂上仁志(姫路工業大学), 左近彰一(日本電気株式会社),
妹尾義樹(日本電気株式会社), 嶋英志(川崎重工業株式会社),
末安直樹(富士通株式会社), 鈴木睦(環境庁 国立環境研究所),
高橋俊(株式会社日立製作所), 高村守幸(富士通株式会社),
田中高史(郵政省 通信総合研究所),
(事務局)秦万美子(高度情報科学技術研究機構)
以上28名
4.配布資料
・第7回HPF合同検討会議事録(末安氏)
・ 第8回HPF合同検討会議事次第(事務局)
・ 第8回HPF合同検討会配布資料一覧(事務局)
・HPF合同検討会メンバ一覧(1997年5月14日現在)(事務局)
・REDUCTION種別の明示(拡張仕様案)(太田氏)
・ON/RESIDENTに関する検討(太田氏)
・ 非同期転送の仕様(案) (岩下氏)
・ SHADOW関連の拡張仕様(案)(岩下氏)
・ 各項目の検討状況(妹尾氏)
・ HPF日本語テキストに関する合意事項(三好氏)
・ AQUAコードのコーディングの特徴について(中村氏)
5. HPF仕様の検討議事
5.1 REDUCTION種別の明示
太田氏からREDUCTION種別の明示に関する詳細検討内容が説明があり、以下の議論がなされた。
・ 本仕様は拡張案か、代替え案か。=>拡張案である。
・ 本仕様のような拡張案がHPFの標準仕様として採用されなかった場合の対処はどうするのか。
=>基本的には個別対応(ユーザとベンダ)となる。
・ 標準仕様となることを目指すのが第1である。
・ kindにCOUNTが必要ではないか。
・ COUNTは特に必要なくSUMで十分なのではないか。
・ MAXLOC,MINLOCは必要なのではないか。
・ ロケーションを求めるのは非常に難しい。
・ 多重(多次元)の場合は次元毎に必要か。
・ 次回VPP FORTRANの例を紹介してもらう。(岩下氏)
[採決] MAXLOC,MINLOCの件を除き、採決を行った。
採決の結果、本拡張案は採択された。(賛成19,反対0、棄権2)
5 2 ON/RESIDENTの制限案撤回について
太田氏から以前提案のあったON/RESIDENT指示に関する制限案を撤回する旨の報告があり、その理由について説明があった。
その結果、ON/RESIDENTは現状のHPF仕様のままとすることに決定した。
5. 3 MANUAL SHADOWの代替案の撤回について
以前岩下氏より提案のあったMANUAL SHADOW指示に対する代替案を太田氏が提案予定であったが、太田氏より代替案を撤回する旨とその理由について説明があった。
その結果、MANUAL SHADOW指示に関しては引き続き議論することとなった。
5. 4 非同期転送の仕様
岩下氏から内容の説明があり、以下の議論がなされた。
・ STARTとENDを別ルーチンにすることは可能か。=>IDをモジュール変数にすれば可能である。
・ 資料7ページの例で、配列CにDYNAMIC指示がなければ制約の変更は必要ないのか。=>そうではない。
・ 対象となる分にHPFライブラリは記述可能か。=>本案では記述不可能としている。
・ マッピング変更ではない部分にはマッピング問い合わせ関数は記述してもよいのではないか。
=>マッピング問い合わせかどうかがコンパイラにはわからない。
・ 本案の制約の内容は現実的には問題ないのではないか。(制約にあるようなことは非同期転送中には行わないのではないか。)
・ NOBUFFER指定をしないと必ずBUFFER転送を行うのか。=>最適化に依存する。
・ NOBUFFER指定に従わないケースがあるとバッファ領域不足の解消として使用できないため、強制としたい。
・ 本案ではバッファ不用の指定というよりも右辺の退避が不要であること(右辺の書き換えがないこと)を指定している。
・ バッファには転送用と退避用があり、退避バッファを制御する必要がある。
・ コンパイラが自動で行うリマッピングはどうなるのか。=>通常は退避する。
[採決] 資料の2.4.3(非同期再整列に固有の制約)とNOBUFFERの部分は意見がまとまらなかったため、その部分を除いて採決を行った。
採決の結果、賛成多数で採択された。(23,反対0,棄権3)
5.5 SHADOW関連の拡張仕様案について
岩下氏より内容の説明があり、以下の議論がなされた。
・コンパイラが転送し、REFLECT指示も行った場合、2度転送することになる。
・ どんな時にREFLECT指示が有効かわからない。
・ REFLECTした状態がどこまで有効か、特にルーチン間に関して、ユーザ側とベンダ側の思い違いがある。
・ SHADOWをHOMEとする場合、SHADOWのSHADOWが必要となるのではないか。
・ 左右SHADOWを別方式(左は通常、右はWITH SHADOW等)は必要か。また、部分REFLECTは必要か。
・ SHADOW領域の確定する条件が不足している。=>WITHSHADOW付きのON指示では左辺に出現して初めて確定する。
・ WITH SHADOWの場合は必ず重複計算をしてほしい。
・ WITH SHADOWはDOループに対して指定したい。
[採決] 今回の議論では結論が出ないため、採決を行わず継続検討とした。
5.6 各項目の検討状況について
妹尾氏から現在までの各項目の検討状況の報告があり、以下の事項を確認した。
・ 6/末までには一通りの結論を出す。(10回〜11回までに)
・ メモリ利用効率(バッファ)、MAXLOC,MINLOC等が検討項目として追加される。
5.7 AQUAコードのコーディングの特徴につていて
中村氏よりプログラム内容の説明があり、以下の議論がなされた。
・プログラムの特徴としてリストが5重になっている。
・イレギュラーな分散が必要か。=>リスト自体の通信が必要となり、分散自体をどうするかまだ決めていない。
・ナンバリングは使用できないのか。=>以前試みたが、途中でギブアップした。
・ INDIRECT分散が必要かどうかはこのようなプログラムだけでは決定できない。
・ 古いプログラムやサードパーティのプログラムは非常に複雑である。
6. HPF日本語テキストについて
三好氏より3社の合意事項についての報告に対し以下の追加訂正があった。
・ JAHPF固有の部分に対してのコピーライトはベンダ3社のみである。
・ 今後作成する英語テキストは別扱いとする。
7. 事務連絡
次回は5月28日(水)10時から高度情報科学技術研究機構にて開催する。
以上