第4回 HPF合同検討会 議事録

  1. 日時: 1997年3月18日(水) 13:00〜16:10
  2. 場所: 財団法人 高度情報科学技術研究機構(中目黒) 大会議室
  3. 出席者: 以上30名
  4. HPF仕様の検討議事
    1. 仕様の採択について
      • 妹尾会員から、JAHPF仕様の採択手順案の説明があった.
        ⇒ 出席者全員の賛成により、手順案どおり可決された.
      • また、「Approved Extensionの採否については採用する/採用しないの判断 なので、この場合はどうするか?」との質問があったが、採用/不採用とも、 決定には2/3の承認を要することになった.

      • GEN_BLOCK分散の採否について
        • 岩下会員より、GEN_BLOCK分散の採否を問う提案があった.
          ⇒ 採決により、GEN_BLOCK分散は採用されることとなった.(賛成多数)
        • 議論内容は次のようなものであった.
          ‐負荷分散の方法としては、既にCYCLIC(n)分散があるが、この方法では データ交換の効率が悪く実用的ではない.
          ‐ユーザの立場としては必要な機能である.様々なデメリットがあるなら ば採用したくないが、RANGE指示行の指定でGEN_BLOCKサポートによる性 能への悪影響を防げるのならば、使いたい.
          ‐幅を変える目的が負荷分散であれば、幅の代わりに負荷を関数形で指定 したい.


      • GEN_BLOCK分散の制約緩和について
        • 岩下会員より、GEN_BLOCK分散の制約を緩和する提案があった.
          ⇒ 採決により、提案は却下された.(賛成6,反対14,棄権8)
        • 議論内容は次のようなものであった.
          ‐この緩和だけでは、プロセッサ数を変更する場合に対して十分であると は考えにくい.
          ‐マッピング配列の大きさと、プロセッサ数には関連がなくても良いはず.
          ‐一般に、制約の緩和は間違ったプログラムを生じやすくする.
          ‐JAHPF仕様とHPF仕様の違いが生じる.


      • INDIRECT分散の採否について
        • 岩下会員より、INDIRECT分散の採否の問う提案があった.
          ⇒ さらなる議論のために、粒子コードおよびFEMコードでの使用例を次回 で提示することになった.(高橋会員,嶋会員)
        • 議論内容は次のようなものであった.
          ‐粒子コードやFEMコードでは必要な場合がある.
          ‐粒子の集中を考えると、領域管理の問題をコンパイラ任せにしておくこ とは非現実的ではないか.
          ‐BLOCK分散のまま間接アクセスを繰り返すよりも、一度INDIRECT分散で REDISTRIBUTEしてしまったほうが性能が出せるのではないか.
          ‐GEN_BLOCK分散 + INDIRECTアドレッシングは必要だが、本当にINDIRECT 分散が必要か.
          ‐様々なデメリットがあるならば採用したくないが、RANGE指示行の指定で カバーできるのであれば、使いたい.
          ‐INDIRECT分散のマップと間接アクセスのリストの相関をコンパイラに示 す方法があれば良い.


      • ポインタとターゲットのマッピングの採否について
        • 岩下会員より、ポインタとターゲットのマッピングの採否を問う提案があっ た.
          ⇒ 議長裁量により、採否保留となった. 採否保留とは、「JAHPF第1版に向けては、採択,否決などの行為を行な わない」という意味である.
        • 議論内容は次のようなものであった.
          ‐ポインタは、f90で使われる機能であり、まだユーザに浸透していない.
          ‐ユーザ側からの要求が見えない以上、議論は続かない.


      • 構造体成分のマッピングの採否について
        • 岩下会員より、構造体成分のマッピングの採否を問う提案があった.
          ⇒ 採決により、JAHPF仕様第1版では必須機能とせず、将来的には採用する ことになった.(賛成多数)
        • 議論内容は次のようなものであった.
          ‐利用方法が見えない.
          ‐f90での公認機能を検討の対象から外すことは、言語としての欠陥につな がる.
          ‐仮に実装の優先度を付けるとすれば、低くても構わない.


  5. JAHPFの議長の選出について
  6. JAHPFホームページの開設について
  7. 新会員の紹介
  8. 事務連絡
    次回は4月2日(水)13時から高度情報科学技術研究機構にて開催する.
    なお、7回目以降の予定は次のように決定した.
    第7回: 4月21日 第8回: 5月14日 第9回: 5月28日
以上